名器の美しい響きに包まれて
イタリア・クレモナの弦楽器の名工グァルネリ・デル・ジェスが没してから、今年で270年。そんなグァルネリ一族の名器を駆り、名演を紡いできた達人集団「プラハ・グァルネリ・トリオ」が日経ミューズサロンに登場し、美しい音色で聴き手を魅了する。デル・ジェスの1735年製ヴァイオリン「ジンバリスト」を弾くシチェネック・パブリークと、一族の始祖アンドレーアの手になる1684年製チェロを奏でるマレク・イエリエ、そしてピアノのイヴァン・クラーンスキーによって、1986年に創設。名器の美音もさることながら、卓越した技巧と音楽性を持つ、第一線で活躍する常設のピアノ・トリオとしても今や貴重な存在だけに、世界中から熱い注目を集めている。今回は、ハイドンの第25番「ハンガリー風」、ベートーヴェンの第7番「大公」、ドヴォルザークの第4番「ドゥムキー」と、それぞれ愛称の付いた3つのピアノ三重奏曲の佳品を披露。円熟した響きに包まれて、室内楽の愉悦を満喫できるステージとなりそう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年3月号から)
★4月17日(木)・日経ホール
問:日経ミューズサロン事務局03-3943-7066
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