ラフマニノフの名協奏曲を一挙に堪能
所属アーティストがその技を競う、毎年恒例のイマジン七夕コンサート、今年はラフマニノフ祭りだ。ラフマニノフのピアノ協奏曲といえば、次々と湧き上がるモダンなロマンが魅力だが、ピアニスト泣かせの難曲揃いでもある。
まず「パガニーニの主題による狂詩曲」に挑むのは、一昨年鮮烈なCDデビューを飾った若手・酒井有彩。才色兼備の酒井が、装いを変えていくテーマを華麗に描き出すことだろう。協奏曲第2番には中堅として着実なキャリアを歩みつつある岡田将が登場する。エネルギッシュ、パワフルな演奏が持ち味なだけに、曲に正面からぶつかっていくヘビー級の真剣勝負が楽しめそうだ。トリの協奏曲第3番は長老、アンリ・バルダが務める。三世代、それぞれのアプローチの違いにも着目したい。
指揮の川本貢司は日本ではまだあまり知られていないが、ドイツの劇場や東欧のオーケストラのポストを歴任し、世界各地でタクトをとる実力派。東京交響楽団からどんなサウンドを引き出すのか、こちらも注目したい。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年6月号より)
2021.7/7(水)19:00 サントリーホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp