旬のバリトンによるオペラと歌曲の魅力満載のステージ
今年4月には《夜鳴きうぐいす/イオランタ》公演で新国立劇場デビューを果たし、唯一のロシア人キャストとして両作品の要となる存在感で観客を魅了したのも記憶に新しい気鋭のバリトン。2015年から東京に住み、全国各地で精力的にコンサート活動を続けている彼が、ピアニストの山田剛史とともに6月の日経ホールに登場する。
ロッシーニの傑作ブッファよりフィガロの底抜けに陽気な〈私は町の何でも屋〉から、ヴェルディの陰影に富んだ革新作より第4幕でマクベスが己の人生を嘆く〈慈悲、尊敬、愛〉など、キャラクターの持つ様々な感情をステージで再現。その輝かしい美声で存分に堪能させてくれるはず。もちろん、恋の喜びを高らかに歌い上げるチャイコフスキーの〈はじめての再会〉などロシア歌曲も手堅いが、歌詞に対する深い理解と愛情で邦人歌手にも引けを取らない、山田耕筰〈鐘が鳴ります〉、瀧廉太郎〈納涼〉、武満徹〈小さな空〉など日本歌曲も聴きどころなのは言うまでもないこと。ご期待を!
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年6月号より)
2021.6/9(水)14:00 18:30 日経ホール【配信あり】
問:日経公演事務局03-5227-4227
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