3月23日(火)、ミューザ川崎シンフォニーホールでフェスタサマーミューザ KAWASAKI2021の記者発表会が開催された。福田紀彦(川崎市長)、秋山和慶(指揮者・同ホール チーフアドバイザー)、松居直美(オルガニスト・同ホール アドバイザー)、大野順二(東京交響楽団 専務理事 楽団長)、桑原浩(日本オーケストラ連盟 専務理事)が出席し、小川典子(ピアニスト・同ホール アドバイザー)がロンドンの自宅から、そして床坊剛(オーケストラ・アンサンブル金沢 オーケストラ担当部長)がリモートで参加した。
17回目の開催となるサマーミューザ、例年特定のテーマを設けていないが、今年のプログラムを俯瞰してみると次のようなことが見えてくるという。
国境を飛び越え、
それぞれの「わが祖国」を大切に尊重し、
さらには「地球全体」へと思いを馳せる
自由に海外旅行に行くにはまだ時間がかかりそうだが、趣向を凝らしたプログラムから音楽を味わい世界へ思いを巡らす、そんな夏にすることができそうだ。
会見は、ホールオルガニストの大木麻理のウェルカム演奏で華やかにスタート。続いて挨拶にたった福田市長は「昨年はコロナ拡大の影響で多くの公演が中止を余儀なくされるなか本フェスティバルは感染症対策を行い、ホールにお客さまを限定してお迎えし、さらに映像配信を行うハイブリッドな音楽祭の形で19日間17公演が行われた。配信は33,000回再生されるなど川崎から新たなコンサート様式を国内外に発信できた。今年も多くの皆さまに会場やライブ配信でご鑑賞いただき、心踊るひとときを過ごしてもらいたい」と述べた。
音楽祭の全プログラムはこちら↓
2021.7/22(木・祝)15:00
東京交響楽団 オープニングコンサート
指揮:ジョナサン・ノット(東京交響楽団 音楽監督)
ピアノ:萩原麻未
7/23(金・祝)11:00
こどもフェスタ イッツ・ア・ピアノワールド
ピアノ:小川典子
7/23(金・祝)15:00
須川展也&小川典子デュオ・コンサート
サクソフォン:須川展也
ピアノ:小川典子
7/24(土)17:00
サマーナイト・ジャズ
渡辺香津美 KW50「トワイライト・ジャム」
ギター:渡辺香津美
フルート:荒川洋 ベース:コモブチキイチロウ フラメンコ・ギター:沖仁 ヴォーカル:SHANTI
7/25(日)15:00
オーケストラ・アンサンブル金沢
指揮・ヴァイオリン:ロベルト・ゴンザレス=モンハス
7/26(月)15:00
東京都交響楽団
指揮:カーチュン・ウォン
チェロ:岡本侑也
7/27(火)19:00
読売日本交響楽団
指揮:山田和樹(読売日本交響楽団 首席客演指揮者)
7/28(水)15:00
N響メンバーによる室内合奏団
指揮・ヴァイオリン:篠崎史紀(NHK交響楽団 第1コンサートマスター)
7/30(金)18:30
洗足学園音楽大学
指揮:秋山和慶(洗足学園音楽大学 芸術監督)
バレエ:谷桃子バレエ団、東京シティ・バレエ団、牧阿佐美バレヱ団、洗足学園音楽大学バレエコース学生
管弦楽:洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
7/31(土)15:00
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:高関健(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 常任指揮者)
8/1(日)17:00
真夏のバッハⅥ 大木麻理パイプオルガン・リサイタル
パイプオルガン:大木麻理
カウンターテナー:村松稔之 オーボエ・ダモーレ:佐竹真登
ヴァイオリン:髙橋奈緒、鈴木崇洋 ヴィオラ:吉田篤
チェロ:武澤秀平 チェンバロ:廣澤麻美
8/1(日)17:00
出張サマーミューザ@しんゆり!
東京交響楽団
指揮:秋山和慶(東京交響楽団 桂冠指揮者)
8/3(火)15:00
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
指揮:鈴木秀美
ヴァイオリン:郷古廉
8/4(水)19:00
京都市交響楽団
指揮:広上淳一(京都市交響楽団 常任指揮者兼芸術顧問)
ヴァイオリン:黒川侑
チェロ:佐藤晴真
8/5(木)15:00
東京ニューシティ管弦楽団
指揮:飯森範親(2021年4月より東京ニューシティ管弦楽団 ミュージック・アドヴァイザー[次期音楽監督])
ピアノ:金子三勇士
8/6(金)19:00
東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:アンドレア・バッティストーニ(東京フィルハーモニー交響楽団 首席指揮者)
ハープ:吉野直子
8/7(土)15:00
日本フィルハーモニー交響楽団
指揮:下野竜也
バリトン・語り:宮本益光
ソプラノ:石橋栄実
8/8(日・祝)15:00
昭和音楽大学
指揮:山下一史
8/8(日・祝)17:00
出張サマーミューザ@しんゆり
神奈川フィルハーモニー管弦楽団
指揮:渡邊一正
ヴァイオリン:吉村妃鞠
8/9(月・振休)15:00
東京交響楽団 フィナーレコンサート
指揮:原田慶太楼(2021年4月より東京交響楽団 正指揮者就任予定)
弦楽四重奏:カルテット・アマービレ
篠原悠那(第1ヴァイオリン)、北田千尋(第2ヴァイオリン)、中恵菜(ヴィオラ)、笹沼樹(チェロ)
かわさき=ドレイク・ミュージック アンサンブルプロジェクト参加者
7月22日のジョナサン・ノット指揮による東京交響楽団のオープニングコンサートを皮切りに、8月9日までの19日間、ミューザ川崎で18公演、昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで2公演、計20公演が開催される。首都圏の9つのオーケストラに加え、今年はオーケストラ・アンサンブル金沢と京都市交響楽団が参加するのも注目だ。さらに、JAZZやバレエのプログラムも音楽祭に華を添える。
そして、昨年に続き全公演をライブ配信することも発表された。今年も「生音+生配信」が実現する。演奏シーンだけでなく、オープニングムービーから始まり、出演者インタビュー、プレトークやバックステージカメラなど、配信でしか観ることのできない映像で話題になった。ライブ配信もこの音楽祭の大きな魅力のひとつだ。
新型コロナウイルスの拡大が読めない状況のもとで、盛夏の音楽祭を着実に開催したことが評価され、ミューザ川崎シンフォニーホールは、2020年度のミュージック・ペンクラブ音楽賞 功労賞を受賞した。日本のオーケストラシーンを象徴するような同音楽祭、今年は公演数も会場も増え、さらなる盛り上がりに期待したい。
フェスタサマーミューザ KAWASAKI2021
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/