ドイツでは、昨年11月初頭から演奏会やオペラ上演が禁止されているが、ベルリン・フィルでは3月20日、観客全員が抗原検査を受けて演奏会を行う試験プロジェクト(Pilot project)が実施された。入場者数は、1000人。オンラインでチケットを購入すると、そのままテストの予約ページに案内される(特定の時間をブックする形式。検査は無料)。市内5カ所の検査センターのほか、半分に当たる500人は、フィルハーモニーの室内楽ホール・ホワイエで、開演2時間前からテストを受けることができる。
試験プロジェクトの目的は、段取りがうまく機能するか、スピードが十分か、といった実用性を見極めることである。反響は絶大で、チケットは発売開始後3分で完売したという。なお、現地でテストを受けた500人からは、陽性はひとりも確認されなかった。キリル・ペトレンコとベルリン・フィルは、チャイコフスキー「ロメオとジュリエット」、ラフマニノフ「交響曲第2番」を演奏したが、会場は、演奏者と聴衆が音楽を共有する喜びで満たされた。
文:城所孝吉(在ベルリン)
♪当日のプログラム♪
キリル・ペトレンコ(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
◎チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
◎ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 op.27
本公演の模様は、Digital Concert Hallで4月4日(日)19:00(現地時間)配信予定
Digital Concert Hall(日本語サイト)
https://www.digitalconcerthall.com/ja/home
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
https://www.berliner-philharmoniker.de