N響ゴールデン・クラシック 2021

GWはチャイコフスキーの音楽に浸ってみては?

 名指揮者と気鋭のソリスト、NHK交響楽団の秀演で、珠玉の名曲を楽しむ「N響ゴールデン・クラシック」。毎年、ゴールデンウィークの時期に開催され、チケット完売が続く大人気シリーズだ。今年は、知的で緻密な解釈で知られる高関健の指揮で、チャイコフスキーを特集。交響曲第5番と、2016年のヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで入賞を果たした、若手実力派の周防亮介をソリストに迎えて、ヴァイオリン協奏曲が披露される。

 チャイコフスキーの傑作の森にあって、高い人気を誇る交響曲第5番。全4楽章に共通した主題を扱う循環形式を特徴とし、冒頭でクラリネットが奏する「運命の主題」が、自在に姿を変えて登場することから、「チャイコフスキーの運命交響曲」とも称される。緩徐楽章に置かれた美しいホルン・ソロなど、聴きどころは満載。高関のタクトは、知性と感性を巧みに織り込みつつ、この作品の魅力を語り尽くしてくれるはず。

 そして、これに先立ち演奏されるヴァイオリン協奏曲。溢れるようなロマンティシズムと華麗なヴィルトゥオジティを併せ持ち、数ある協奏曲作品の中でも、屈指の名曲に位置づけられている逸品だ。ソロを務める周防は1995年京都生まれ。名匠マキシム・ヴェンゲーロフのもとで腕を磨き、国内外の登竜門で実績を重ねている、まさに“旬”の俊英。コロナ禍の閉塞感を吹き飛ばすような、瑞々しく、希望に溢れた快演を体感できよう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年4月号より)

2021.5/3(月・祝)15:30 東京文化会館
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337 
https://sunrisetokyo.com