新倉瞳が第19回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞

 第19回齋藤秀雄メモリアル基金賞の受賞者が発表され、チェロ部門に新倉瞳が決定した。

 同賞は、チェリスト・指揮者・教育者として高名な故・齋藤秀雄(1902-1974)にちなみ、財団法人ソニー音楽芸術振興会(現・公益財団法人ソニー音楽財団)が2002年に創設。音楽芸術文化の発展に貢献し、これから一層の活躍が期待される、若手チェリスト、指揮者に贈られる。今回指揮者の該当者はなし。

 選考委員の堤剛は「幅広い活動をしながらもそこには確固たる信念があり、その強い意志にいささかの揺るぎがないのは本当に立派なこと。常に前向きの姿勢で意欲的に物事を進めて行かれる姿勢は、将来音楽の道を目指す若手音楽家にとってこの上ない指針とモデルになっていることに疑いありません」と評するコメントを寄せた。ソロ活動のみならず、室内楽活動への取り組みが、現在のクレズマー(東欧系のユダヤ音楽)グループのチェリストとして、またバロック・チェロ演奏家としての高い評価に繋がった。

 新倉は8歳よりチェロを始め、桐朋学園女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業。その後、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了し、2014年よりカメラータ・チューリッヒのソロ首席チェリストを務め、スイスを拠点に幅広く活動している。これまでに、ルーマニア国際音楽コンクール室内楽部門第1位をはじめ、数々のコンクールで入賞を重ねた。

 受賞にあたり新倉は「今回の受賞が、いつも支えてくださる先生方をはじめ、応援してくださる皆さまへの恩返しになれば何より嬉しいです。デビュー15周年を迎えるにあたり、いつも一緒に歩んでくださる皆さまとともに、音楽界を盛り上げ幸せの連鎖をシェアしていくための活力となりました」と述べている。

公益財団法人ソニー音楽財団
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