ホールから育った俊英たちが揃うアクティブなステージ
東京文化会館は、都内の文化施設と連携し、若いアーティストの活動を支援する「東京ネットワーク計画」を実施しているが、それらの文化施設(ホール)とともに「アフタヌーン・コンサート」も開催している。今回は、東京芸術劇場の芸劇ウインド・オーケストラ・アカデミーよりサクソフォン四重奏(足立雄大、日下雅央、金野龍篤、崔師碩)、トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホールのアウトリーチセミナーより弦楽四重奏(吉野駿、松谷萌江、鶴友見、梶原葉子)、サントリーホール オペラ・アカデミーよりソプラノの木和田絢香と小寺彩音、サントリーホール室内楽アカデミーよりレグルス・クァルテット、そして、東京文化会館の東京音楽コンクール入賞者よりピアノ三重奏が出演する。
なかでも注目はレグルス・クァルテットのバルトーク弦楽四重奏曲第3番。レグルス・クァルテットは、第1ヴァイオリンの吉江美桜が日本音楽コンクールと東京音楽コンクールで第3位入賞、第2ヴァイオリンの東條太河が日本音楽コンクール入選、チェロの矢部優典が日本音楽コンクール第2位入賞。ヴィオラの山本周も2017年から東京・春・音楽祭で活躍するなど、新進気鋭の名手揃いの団体である。東京音楽コンクール入賞者のピアノ三重奏では、オーボエの篠原拓也、ファゴットの鈴木一成、ピアノの居福健太郎が出演。フランセの三重奏曲が楽しみだ。東京を代表する4つのホールによる特色ある若手育成プログラムの成果を一度に聴く絶好の機会である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2021年2月号より)
2021.2/28(日)14:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp