石井啓子アンサンブルシリーズⅩⅩⅪ

緻密なアンサンブルで紡ぐドイツ・プログラム

 ピアニストの石井啓子は、東京藝術大学大学院を修了後、ミュンヘン国立音楽大学に留学。ドイツで演奏活動後に帰国し、ソロ・リサイタルをはじめ、協奏曲のソリスト、そして室内楽奏者として、多岐にわたる活動を展開してきた。なかでも彼女の活動の核となっているのが室内楽。そして特に力を注いでいるのが1987年から毎年開催しているアンサンブルシリーズだ。多彩かつ意欲的なプログラミングと各奏者の技術の高さ、緻密に構成されたアンサンブルは各方面から高い評価を受けてきた。2019年に30回目という節目を迎え、今回は新たなスタートを切る第31回となる。演奏者には前回と同じくヴァイオリンに石井啓一郎、石突美奈、チェロに桜庭茂樹、そしてフルートに石井陽子を迎え、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲をはじめ、彼にかかわりの深いシューマンやライネッケの作品が並ぶドイツ・プログラムを奏でる。

 暗い話題の続いた2020年だったが、力強く輝かしい楽曲と演奏を楽しみ、明るい年にしたい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2021年1月号より)

2021.1/14(木)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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