荘村清志と福田進一、ギター2人の巨匠の共演が大きな話題となった「DUO」(2015年)に続く第2弾。今回はこの2人に、鈴木大介と大萩康司という次世代の名手が加わり、互いに相手を替えつつ、ギターのためのオリジナルから新作、バロック、武満徹の映画音楽まで、多彩な佳品を弾き尽くす。とは言え、丁々発止の感覚は一切なく、時に熱っぽさは帯びるものの、穏やかな会話のよう。奏者による音の響かせ方の違いも、各々の口調の違いと言ったところか。聴く者に、極上の時間を提供する。ボーナス・トラックには、名手たちと合奏が愉しめる、カラオケ音源が収録されているのも嬉しい。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2021年1月号より)
【information】
CD『DUO2/荘村清志&福田進一&鈴木大介&大萩康司』
レイモン:ミッドナイト・メモリーズ/ヴィヴァルディ:「2台のマンドリンのための協奏曲」より第2楽章/カステルヌオーヴォ=テデスコ:エレジー風フーガ/ピアソラ:「タンゴ組曲」より第2楽章/武満徹:不良少年(荘村清志&鈴木大介編)、どですかでん(鈴木編) 他
荘村清志 福田進一 鈴木大介 大萩康司(以上ギター)
日本コロムビア
COCQ-85513 ¥3000+税