フレッシュな6人が飛躍の地で繰り広げる2台ピアノの競演
2018年、第10回浜松国際ピアノコンクールのステージで活躍し、それぞれに鮮やかな印象を残した6人のピアニストたちが集うピアノ・フェスティバルが、アクトシティ浜松中ホールで開催される。3組のペアが、2台ピアノによる演奏を披露。若いピアニストたちのアンサンブルの喜びを、客席も一緒に分かち合うような、年の瀬にふさわしい祝祭感あふれる企画だ。
太田糸音 × 田母神夕南は、ラヴェルとチャイコフスキーという華やかなプログラム。しなやかで力強い二人の音を存分に生かした、この日唯一の女性ペアらしい演奏に期待できそう。
安並貴史 × 佐川和冴は、2台ピアノの定番であるモーツァルトのソナタに加え、20世紀ポーランドのルトスワフスキ、安並が力を注ぐドホナーニという、彼ららしいプログラム。1組目とは対極的な、男らしさのようなものを感じるステージになりそうだ。
そして、東京藝術大学附属高校時代からの付き合いで、ともにドイツのライプツィヒで学ぶ、今田篤 × 兼重稔宏ペア。これまでにもたびたびデュオ公演を行っている二人は、ベートーヴェン「第九」のリスト編曲版を演奏する。合唱の公演が開催しづらい今年、息の合ったデュオで年末の風物詩を聴くことができる。
海外との行き来が困難になるという、思いもよらない事態が襲った2020年の締めくくり。しかし日本には、これほどたくさんの若くすばらしいピアニストがいるということを、改めて実感するコンサートとなりそうだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2020年11月号より)
2020.12/27(日)14:00 アクトシティ浜松(中)
問:浜松市文化振興財団053-451-1114
https://www.hipic.jp