【SACD】ハイドン:交響曲集 Vol.10/飯森範親&日本センチュリー響

 日本センチュリー交響楽団と首席指揮者の飯森範親が2015年に開始した、ヨーゼフ・ハイドンによる104の交響曲を8年かけて全曲演奏する「ハイドンマラソン」。ステージと併行してCDリリースとハイレゾ配信も行う、壮大なプロジェクトだ。当盤には、17年12月の第11回、18年3月の第12回から、30代の壮年期に書かれた3曲を収録。いわゆる疾風怒濤期の作品ながら、過剰にロマン派的な感情移入を避け、理知的で透明感ある快演を構築している。「回を重ねるごとに楽員たちの“ハイドン愛”が高まってきた」と飯森。端正な響きの向こうに、確かに彼らの熱き思いが聴いて取れる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年12月号より)

【information】
SACD『ハイドン:交響曲集 Vol.10/飯森範親&日本センチュリー響』

ハイドン:交響曲第38番「こだま」、同第41番、同第43番「マーキュリー」

飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団

収録:2017年12月&2018年3月、住友生命いずみホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00722 ¥3200+税