ボリショイ・バレエ in シネマ『白鳥の湖』『ジゼル』


大スクリーンで満喫する名作バレエ、ボリショイのスターたちの饗宴

 今秋ボリショイ・バレエ団が、3年ぶりに来日する。それに先立って、「ボリショイ・バレエ in シネマ」が6月17日から上映が再開されることになった。
 公演中止で自粛が続く中、バレエ・ファンの中には各バレエ団のWeb配信を通してバレエを鑑賞していた人も少なくないだろうが、生の舞台を観るのが困難な今、映画館の大スクリーンで見るバレエは迫力満点で、“バレエ・ロス”を嘆くファンの欲求を大いに満たしてくれることだろう。
 
 今シーズンのラインアップを振り返ると、昨年12月の『くるみ割り人形』に始まり、今年1月の『海賊』、2月の『ロミオとジュリエット』、3月の『ライモンダ』と大作が続々。そして今回公開されるのが、第5弾のチャイコフスキー作曲『白鳥の湖』と第6弾のアダン作曲『ジゼル』という「白いバレエ」の名版である。

『白鳥の湖』より
C)Pathe Live

 古典バレエの最高峰と言われる『白鳥の湖』は、30年間ボリショイに君臨した巨匠グリゴローヴィチによる改訂版(2001年)で、マイムより踊り重視の演出。オデット=オディールのみならず、王子や悪魔にも踊りの見せ場が設けられているので、ボリショイのスター達の至芸が十二分に堪能できる。一糸乱れぬ白鳥のコール・ド・バレエも必見だ。今年収録された映像では、オルガ・スミルノワとジャコポ・ティッシが主演。

 スミルノワはスヴェトラーナ・ザハーロワに次ぐトップ・スター。古典から現代ものまで幅広く踊りこなすが、オデット=オディールの優雅さには定評がある。相手役のティッシは、ミラノ・スカラ座バレエからボリショイへ移籍した初めてのイタリア人ダンサーで、2017年の入団以来、次々に主役を任されてきた。本年25歳、躍進中のリーディング・ソリストだけに期待は大きい。

『白鳥の湖』より
C)Pathe Live

『ジゼル』より
C)Pathe Live

 一方、ロマンティック・バレエの名作『ジゼル』は、国際的に活躍するアレクセイ・ラトマンスキーが昨年発表した新演出にご注目。プティパの改訂が加えられる以前のフランス初演に近い振付を再現した、いわば「古くて新しい」演出がお目見えする。初演台本にならって、最後にバチルドがアルブレヒトを迎えにくるなど、従来の『ジゼル』とは異なる部分が多いのが興味津々。
 ジゼルはスミルノワ、アルブレヒトはアルテミー・ベリャコフと旬のプリンシパル・ペアが主演。

 両演目で、ボリショイの現在(いま)をたっぷり味わいたい。
文:渡辺真弓

『ジゼル』より
C)Pathe Live


【Information】
ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2019 – 2020

『白鳥の湖 Swan Lake』
上映日:2020.6/17(水)  

音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付:ユーリー・グリゴローヴィチ
出演:オルガ・スミルノワ(オデット&オディール)、ジャコポ・ティッシ(王子ジークフリート)、エゴール・ゲラシチェンコ(ロットバルト)、アレクセイ・プチンツェフ(道化)

『ジゼル Giselle』
上映日:2020.6/24(水)

音楽:アドルフ・アダン
振付:アレクセイ・ラトマンスキー
出演:オルガ・スミルノワ(ジゼル)、アルテミー・ベリャコフ(アルブレヒト)、デニス・サーヴィン(ハンス(ヒラリオン))、アンゲリーナ・ヴラーシネツ(ミルタ)、ネッリ・コバヒーゼ(バチルド)、リュドミラ・セメニャカ(ベルト)、アナスタシア・デニソワ(ズルマ)

料金
全席指定 大人3,700円(税込)、学生2,500円(税込)

*上映劇場などの詳細は、下記ウェブサイトでご確認ください。
https://liveviewing.jp/contents/bolshoi-cinema2019-20/