国内外のコンクールを制した実力派が魅せる三大ソナタ
岡田将は桐朋女子高等学校音楽科(共学)を首席卒業後、オーストリアとドイツで研鑽を積んだピアニスト。アルトゥール・シュナーベルコンクール第1位及びスタインウェイ賞、第5回リスト国際ピアノコンクール第1位など輝かしいコンクール入賞歴を誇り、ドイツを中心にヨーロッパで多くの演奏活動を行ってきた。日本でも東京交響楽団や日本フィルハーモニー交響楽団など、国内主要オーケストラとの共演も重ね、ソロに留まらず幅広い演奏活動を展開。2011年にはオール・リスト3回シリーズ、12年、13年にはバッハのパルティータ全6曲を一晩で演奏するといった挑戦的なプログラムによるリサイタルで大反響を呼んだ。力強い音色、スケールの大きな音楽づくりによってベートーヴェンの演奏でも高い評価を受けている岡田は、近年この作曲家を積極的に取り上げており、14年から2年間にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲シリーズ(全8回)、15年にはベートーヴェンの五大ソナタによるリサイタル、18年にはヴァイオリニストの正戸里佳とヴァイオリン・ソナタ全曲リサイタル、チェリストのルイス・クラレットとはCD『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲』をリリースした。
そんな彼が今回挑むのはベートーヴェンの「悲愴」「月光」「熱情」の三大ソナタだ。常に挑戦する姿勢を崩さず自らの音楽に向き合ってきた岡田。大切にしてきたレパートリーに改めて向き合い、熟成されたベートーヴェンを聴かせてくれることであろう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2020年5月号より)
2020.11/27(金)19:00 トッパンホール
5/27(水)発売
問:コンサートイマジン03-3235-3777
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