現代のフランスおよび日本のピアノ作品をメインに精力的に演奏し続ける飯野明日香。前作「Japan Now」では西村朗や藤倉大らの21世紀作品を中心に発表し話題となったが、4枚目のアルバム「和の歌 WANOKA―日本の歌によるピアノ作品集」は10名の作曲家(金子仁美・川上統、川島素晴、小出稚子、篠田昌伸、鈴木純明、法倉雅紀、挾間美帆、平川加恵・山田武彦)に飯野が委嘱した全新作で構成される。懐かしい唱歌や童歌の断片が聞こえたり、それぞれの個性が煌く異世界へと誘われる10作品。飯野の多彩な表現力、そして現代日本のピアノシーンを知る上でも必聴だ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2020年5月号より)
【information】
CD『和の歌 日本の歌によるピアノ作品集/飯野明日香』
平川加恵:ずいずいFantasy/川島素晴:白河踊りメタモルフォーゼ/小出稚子:うさぎのダンス/篠田昌伸:ゲートキーパー/挾間美帆:コラール—「からたちの花」メロディーによる/金子仁美:日本の唱歌「雪」による変奏曲—3Dモデルによる音楽Ⅳ/法倉雅紀:茜草指(あかねさす)第3番—独奏ピアノのための 他
飯野明日香(ピアノ)
カメラータ・トウキョウ
CMCD-28373 ¥2800+税