経緯、詳細は椎名亮輔氏の読み応えあるライナーに譲るとして、1920年の結成からちょうど100年ということに因む、フランス6人組+その集結のきっかけとなったサティの「パラード」を収めたなんとも素敵なアルバム。中でも最も有名なのがプーランクの「4手のためのソナタ」とサティの「パラード」であろうが、他の曲もおしなべて魅力的。単純にみえて和声的な捻りのあるミヨー、タンゴやストラヴィンスキーの影響を感じさせるオネゲル、フォックストロットへの愛と皮肉を交えた模倣であるオーリックなど、どれも機知と閃きが溢れる。青柳いづみこ&高橋悠治の演奏もウィットに富むものだ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2020年3月号より)
【information】
CD『6人組誕生!/青柳いづみこ&高橋悠治』
ミヨー:子供のために―ジャン・コクトーの3つの詩/プーランク:4手のためのソナタ/タイユフェール:イマージュ/デュレ:2つの小品/オネゲル:7つの小品/オーリック:アデュー・ニューヨーク/サティ:パラード―1幕の現実的なバレエ/6人組のアルバム
青柳いづみこ、高橋悠治(以上ピアノ)
コジマ録音
ALCD-7246 ¥2800+税