神奈川フィルが創立50周年記念事業を発表

 2020年に創立50周年を迎える神奈川フィルハーモニー管弦楽団が1月17日、神奈川県庁で記念事業の記者会見を行い、黒岩佑治(神奈川県知事)、川瀬賢太郎(神奈川フィル常任指揮者)、上野孝(同 理事長)らが出席した。
(2020.1/17 神奈川県庁 Photo:M.Suzuki/Tokyo MDE)

左より:上野 孝、黒岩佑治、川瀬賢太郎

 「地域に密着した音楽文化創造を使命に」を活動の理念に掲げる神奈川フィルは、これまでの同楽団への応援に対する感謝の気持ちを込めて「祝賀演奏会」と神奈川県内の10ヵ所をめぐる「巡回主催公演 神奈川フィル・フューチャー・コンサート」を実施する。 

 巡回公演は、川瀬と神奈川フィル名誉指揮者の現田茂夫がタクトをとり、20年5月から21年3月までの間に神奈川県内で10回の主催公演が開催される。「地元ゆかりの演奏家との共演」を企画の中心に据え、シリーズの初回に当たる5月9日の海老名公演では、海老名市出身・在住のバリトン歌手、川田直輝と海老名市民オペラ合唱団が、6月20日の横須賀公演では、横須賀芸術劇場少年少女合唱団が出演を予定している。

 また、11月21日に横浜みなとみらいホールで開催される祝賀演奏会は、川瀬の指揮によるマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」を披露。オーケストラは100名を超え、合唱団は神奈川フィル合唱団に加えて県内で活動する合唱団や一般公募による有志らおよそ300名で構成される。

 会見で黒岩・神奈川県知事は神奈川フィルについて次のように語った。
「当初、軽い気持ちで“神奈川フィル応援団長”を引き受けたが、楽団の活動を継続するために2年半で5億円を集めなければならないことがわかり驚いた。そこで、自身が先頭に立って演奏会の後にロビーに立ち募金活動を行い、なんとか存続可能な金額を集めることができた。そしてそのときに楽団の変化を感じた。当初、楽団員は演奏会が終わるとすぐに帰っていたのが、一緒に声を枯らして募金活動をするようになった。その意識の変化とともに近年、演奏のレベルもますます上がってきている」

 一方、川瀬はマーラーの8番について「幼稚園の頃、最初に虜になってしまったのが、モーツァルトでもベートーヴェンでもなくマーラーの8番で、常任指揮者就任当時からやりたいとずっと言い続けてきた曲。50周年という記念の年に長年の夢であったこの曲を演奏できることを幸せに思っている」と、作品への深い思い入れや初めて挑む期待感を述べた。
 神奈川県のオーケストラとして、これまで以上の県民との結びつきが期待される一年になりそうだ。

川瀬賢太郎

神奈川フィルハーモニー管弦楽団
https://www.kanaphil.or.jp