現代ドイツの名バリトンによる至高のシューベルト
オペラ、リート、宗教曲など、どのジャンルでも精力的な活動を行っているドイツの歌手ディートリヒ・ヘンシェル。近年で注目される彼の活動の中に、歌曲に含まれる豊かな文学的内容を視覚化して伝えようとするプロジェクトがあり、シューベルトの「白鳥の歌」舞台版をモネ劇場(ブリュッセル)などで上演している。以前から録音などを通してヘンシェルの歌うシューベルトに親しんでいた方も多いだろうが、ヘンシェルは2019年、日本で「美しき水車小屋の娘」の録音を行い、それが間もなくリリースされる予定である(日本アコースティックレコーズ)。
ドイツの巨匠フィッシャー=ディースカウの弟子で、その後継者とも称されるヘンシェルだが、50歳を超えて作り出す歌曲の世界は、より深まりを見せている。繊細に歌の世界に寄り添うピアノの岡原慎也とともに、シューベルトの傑作「美しき水車小屋の娘」をこの2月に歌うが、それはヘンシェルの「現在」を知る貴重な機会となるだろう。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.2/2(日)14:00 札幌コンサートホール Kitara(小)
問:Kitara チケットセンター011-520-1234
https://www.kitara-sapporo.or.jp
2020.2/6(木)19:00 東京文化会館(小)
問:オーパス・ワン03-5577-2072
http://opus-one.jp
他公演(札幌交響楽団との共演)
2020.2/7(金) サントリーホール(カジモト・イープラス0570-06-9960)