地元ゆかりのアーティストが集い、記念年を祝うガラ・コンサート
世界で活躍する指揮者・沼尻竜典率いるトウキョウ・ミタカ・フィルハーモニアは、今年11月に創立25周年を迎える。記念の年の第80回定期演奏会は、沼尻と同じ三鷹市出身のピアニスト横山幸雄と、三鷹市にある国際基督教大学卒のハーピスト吉野直子を迎えて、祝祭的なプログラムが組まれた。
最初は吉野直子がロドリーゴ「アランフェス協奏曲」ハープ版を演奏する。スペインの名ハーピスト、サバレタがロドリーゴに依頼したもので、元はギター協奏曲だが、ハープのために書かれたのではと思うほど見事な仕上がりになっている。吉野はイスラエル国際ハープ・コンクールに優勝、国内外の一流アーティストやオーケストラと共演を重ねてきた。その華麗な音色が作品の新たな魅力を引き出してくれるだろう。
続いてショパン国際ピアノ・コンクールで、日本人歴代最年少で入賞した横山幸雄がラヴェル「ピアノ協奏曲」を弾く。バスク地方の民謡やジャズなど、多彩な要素が用いられた華やかで優雅な作品。第2楽章のピアノとコーラングレの対話は特に美しい。ラヴェル直系のペルルミュテールにも学んだ横山のピアノに注目したい。
最後を飾るのは、モーツァルト「三大交響曲」のひとつ第39番。25年前、沼尻の呼びかけで、国内外の第一線で活躍する演奏家によりトウキョウ・モーツァルトプレーヤーズとしてスタートしたミタカ・フィルにとって、モーツァルトは最も得意とするレパートリーであり、名演が期待できる。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2020年2月号より)
*新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、本公演は中止となりました。(2/28主催者発表)
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
第80回 定期演奏会
2020.3/14(土)15:00 三鷹市芸術文化センター
問:三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122
http://mitaka-sportsandculture.or.jp