ロシアで話題をさらう新鋭ピアニストの来日公演が実現
「有名曲を入れたいんじゃない。ひとつの大きな流れを考えた結果だ」。昨年6月にモスクワで開かれたチャイコフスキー国際コンクールで、ひときわ客席を沸かせたロシアの俊英ピアニスト、フィリップ・コパチェフスキーは言う。
しかし、来日公演に用意したオール・ショパン・プログラムの演目を見れば、邪推する側の気持ちも理解できよう。「英雄ポロネーズ」「幻想即興曲」「夜想曲第2番」「スケルツォ第2、3番」…まさに“名曲中の名曲”が、ずらりと並んでいるからだ。
1990年生まれ。モスクワ音楽院などに学び、数々の登竜門で実績を重ね、ロストロポーヴィチやプレトニョフら巨匠と共演。世界各地の音楽祭にも招かれ、「知的にしてエキサイティング」と評される、個性的な快演を披露してきた。
そんな彼が弾く“王道”が、通り一遍の演奏で済むわけがなかろう。今年は5年に一度のショパン国際ピアノコンクールも開催される。「彼の出場も?」とファンは色めき立つが、果たして真相は? 俊英のプレイに触れることで一層期待が高まるだろう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2020年2月号より)
2020.3/8(日)14:00 ヤマハホール
問:MCS 03-3473-2880
https://mcsya.org
※全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。