【CD】BARITONISM Ⅱ―フランス作品集―/本堂誠

 木管楽器の中で、息遣いのニュアンスを最もヴィヴィッドに反映できるのは、サクソフォン属だろう。東京藝大からパリ国立高等音楽院などに学び、国際的に活躍するバリトン・サックスの名手、本堂誠。当盤では、本来は弦とピアノなどのために書かれた、近代フランス作品を取り上げた。紡がれる表現は、謳い出しから千変万化。特にドビュッシーやラヴェルのソナタでは、本堂の現地での生活経験を反映し、チェロやヴァイオリンなど原曲の独奏楽器をも超えた形で、“フランス語”を強く印象づける。感情過多な表現を排し、作品に相応しい、透明な空間を形創った羽石道代のピアノも秀逸。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2020年2月号より)

【information】
CD『BARITONISM Ⅱ―フランス作品集―/本堂誠』

ドビュッシー:チェロ・ソナタ、夢想、レントよりも遅く/フォーレ:セレナード、エレジー、ロマンス/ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ(遺作)、ハバネラ形式の小品/サン=サーンス:ファゴット・ソナタ、「動物の謝肉祭」より〈白鳥〉

本堂誠(バリトン・サクソフォン)
羽石道代(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCC-00156 ¥3000+税