【CD】ヴァイオリンとチターの出会い/ヴィルフリード・シャルフ&吉田美里

 ソリストとしてウィーン・フィルのニューイヤーに出演し、指導者としてはチターのクラスを開設してその技を伝えるなど、チターの第一人者として広く活躍するヴィルフリード・シャルフ。ウィーンで長く学んだヴァイオリニスト吉田美里と共に、ユニークなアルバムを完成した。両楽器の“出会い”は珍しいが、ウィーンをよく知る彼らの肩の力の抜けた演奏で、同地の家庭や居酒屋で聴いているかのような心地よさ。有名な『第三の男』のテーマをはじめ、チターのソロによる4曲はさらに聴きもので、独特の鄙びた雰囲気がいい。懐かしさを誘うチターの音色を味わう1時間となる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年12月号より)

【information】
CD『ヴァイオリンとチターの出会い/ヴィルフリード・シャルフ&吉田美里』

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番/ヴィヴァルディ:フルート協奏曲「ごしきひわ」より〈カンタービレ〉/ツェラー:喜歌劇《小鳥売り》より〈チロルの薔薇〉/ショスタコーヴィチ:「ジャズ組曲第2番」より〈ワルツ第2番〉/カラス:『第三の男』より〈ハリー・ライムのテーマ〉/ジチンスキー:ウィーン、わが夢の街 他

ヴィルフリード・シャルフ(チター)
吉田美里(ヴァイオリン)

コジマ録音
ALCD-9203 ¥2800+税

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