岡崎耕治と山田知史のファゴットとコントラファゴットによるデュオCD第2弾。地味な音の同族楽器同士だが、いざ聴いてみるとこの2つの楽器が同族楽器ゆえの親密かつ絶妙なコントラストを形成しており、ファゴット特有の温かく心地良い音色も相まってずっとこの世界に浸っていたいと思わされる。全曲が卓抜だが、中でも元々ホルンのデュオとして書かれたとされる曲ゆえ、そのファゴット・デュオ版も全く違和感のないモーツァルトの二重奏曲 K.487、そして機知に富み、ファゴットの持ち味を十全に活かし切っているダミアン・モンターノの手になる「組曲」が秀逸。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2019年11月号より)
【information】
CD『ファゴットとコントラファゴットの快楽/岡崎耕治&山田知史』
ブレーメル:アレグレット・オブスティナート、ディープ・バーガンディ/モーツァルト:12の二重奏曲 K.487/エルトマン:対話/オッフェンバック:二重奏曲集 第1番 ト長調 op.50/ヒンデミット:4つの小品/クニェジェク:二重奏曲 第1番・第2番/モンターノ:組曲 他
岡崎耕治(ファゴット)
山田知史(コントラファゴット)
マイスター・ミュージック
MM-4065 ¥3000+税