シューマンをこよなく愛するピアニスト梅村知世の待望のアルバム第2弾。2016年のシューマン国際コンクールで第2位(最高位)を収め、現在もベルリンで研鑽を積む梅村は、しなやかな感性と誠実・知的なアプローチでシューマンの世界を描き出す。甘すぎず、ときに骨太な響きも効かせる「子供の情景」、音楽の自然な流れが美しい「アラベスク」や「花の曲」、声部をクリアに整理し内省的な表情を描く「フモレスケ」など、青年期のシューマンのみずみずしい音楽を何度でも味わいたくなるような一枚。シューマン=リストの「春の夜」は、音色に一段と輝きを持たせている。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2019年10月号より)
【information】
CD『シューマン Vol.2/梅村知世』
シューマン:子供の情景、アラベスク、花の曲、フモレスケ
シューマン(リスト編):春の夜
梅村知世(ピアノ)
オクタヴィア・レコード
OVCT-00169 ¥3000+税