オーケストラとトリオでジャズの熱いコンサートを
3年に一度おこなわれていた「ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール」の開催がない年のイベントとして2007年にスタートして以来、今年で11回目を数える八王子音楽祭(9/21〜9/29)。昨年からは「ジャンル特化」という新たな切り口で、市民はもとより全国からも注目されているこの音楽祭だが、今年のテーマはなんとジャズ! 「 Shall We JAZZ?」と題して、我が国を代表する一流ジャズマンが市内の各ホールで様々なスタイルのジャズを披露するほか、街中のカフェやストリートでのライヴ、日本茶店の蔵でのレコード・イベントやジャズ・シネマの上映、ジャム・セッションなど多岐にわたる関連イベントが、9日間にわたって開催される。
そんな中、今回の目玉の1つとなるであろうステージが、東京交響楽団の八王子定期公演シリーズの一環でもある「オーケストラ plays JAZZ」だ。今注目の若きマエストロ、原田慶太楼を指揮者に迎え、演奏されるのはカルヴィン・カスター編曲「デューク・エリントン!」やレナード・バーンスタイン「シンフォニック・ダンス」。オーケストラならではのダイナミックで躍動感にあふれたジャズが、ファンを魅了することはまちがいない。
そこにさらなる華を添えるのが、もう1人の主役、ジャズ・ピアニストの山中千尋だ。世界を舞台に活躍する彼女が東響と共演するのは、おなじみガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。エモーショナルな歌心にあふれた山中のピアノが、果たしてどんなガーシュウィン・ワールドを描き出すのか。また山中のトリオによるスペシャル・ステージも用意されているというので、こちらも期待大だ。
文:藤本史昭
(ぶらあぼ2019年9月号より)
八王子音楽祭2019 〜Shall We JAZZ?〜
東京交響楽団 第5回八王子定期演奏会 〜オーケストラ plays JAZZ〜
2019.9/28(土)14:00 オリンパスホール八王子
問:八王子市学園都市文化ふれあい財団042-621-3005
http://www.hachiojimusicfestival.com/