【SACD】メンデルスゾーン:「イタリア」、ベートーヴェン:交響曲第7番/西脇義訓&デア・リング東京オーケストラ

 名録音を多数残してきた西脇義訓が指揮する、デア・リング東京オーケストラ。彼の知見と方法論に基づき、“常識的な”オーケストラの楽器配置を完全にシャッフルしてしまう。類例のない活動の成果は、これまで録音でしか聴けなかったが、昨年ついに初の公演が実現した。通常配置での音響のシャープさは減ずるが、代わりに得られたのは、会場中に広がるハーモニー、柔らかく温かな音色、埋もれやすい内声と金管が無理なく共存する音響、楽員個々人の自発性と歌心など。想像以上の成果の大きさに感嘆するばかり。心地よく“常識”を覆していく西脇の挑戦。大いに注目し、傾聴したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年9月号より)

【information】
SACD『メンデルスゾーン:「イタリア」、ベートーヴェン:交響曲第7番/西脇義訓&デア・リング東京オーケストラ』

メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」
ベートーヴェン:交響曲第7番

西脇義訓(指揮)
デア・リング東京オーケストラ

収録:2018年8月、三鷹市芸術文化センター(ライヴ)
N&F
NF65808 ¥オープン

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