第9回 関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル IN 京都コンサートホール

秋山和慶の指揮のもと、若きエネルギーが炸裂する


 毎年恒例、関西の8つの音楽大学の学生が集う祭典「関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバル IN 京都コンサートホール」が開催される。第9回の参加校は大阪音楽大学、大阪教育大学、大阪芸術大学、京都市立芸術大学、神戸女学院大学、相愛大学、同志社女子大学、武庫川女子大学。それぞれの大学の精鋭によるオーケストラと合唱で、学生同士自らの技術と音楽性を披瀝し、互いに切磋琢磨する絶好の機会となる。

 第6回以降、名匠秋山和慶が指揮し、本格的なプログラムに取り組んでいる。これまで、マーラー「復活」、交響曲第5番、モーツァルト「レクイエム」、ベートーヴェン「合唱幻想曲」などの大作に取り組み、その若々しくフレッシュな演奏が好評を博してきた。

 今回のプログラムは、モーツァルト「戴冠式ミサ曲」とサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」が中心となる。モーツァルトの声楽作品は、ザルツブルク時代最後期の傑作ミサであり、オケも合唱も緻密なアンサンブルと洗練された美しい音色が要求される。独唱はオーディションで選ばれた学生が歌う。サン=サーンスの交響曲は、フランス風の華やかな色彩とドイツ風の循環形式の堅固な構築を兼ね備えた壮大な名作である。京都コンサートホールの大オルガンと堂々と対峙する必要もある。名教師秋山の指揮のもと、若く優れた能力を結集して、これまで同様素晴らしい演奏を披露してくれるに違いない。ホールのホワイエには各大学の案内ブースもあり、開演前にはロビーコンサート(14:20〜)が行われる。関西の音楽大学の実力を知る格好のイベントとなるだろう。
文:横原千史
(ぶらあぼ2019年9月号より)

2019.9/16(月・祝)15:00 京都コンサートホール
問:京都コンサートホール075-711-3231 
https://www.kyotoconcerthall.org/