【CD】ファゴット・トリオ・ザルツブルク

ザルツブルク・モーツァルテウム管の3人の奏者(テルツォは現在ゲヴァントハウス管首席、黒木は元・東京フィル首席)によるファゴット・アンサンブル・アルバム。すべて編曲ものだが、バセットホルンやバリトンの三重奏、チェロとの二重奏、作曲者と同時代の奏者が編曲した二重奏の《セビリアの理髪師》、ゲスト&打楽器を加えたピアソラと、意味ある選曲や工夫がなされている。演奏自体も、自在なテクニック、統一感のある音色とフレージング、柔軟で気品漂う表現が光り、珍しい編成の音楽を愉しく満喫させてくれる。新感覚を味わえる好ディスク。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年9月号より)

【information】
CD『ファゴット・トリオ・ザルツブルク』

モーツァルト(A.ホーキンス編):ディヴェルティメント K.Anh. 229(439b)/ロッシーニ(F.ゲバウアー編):歌劇《セビリアの理髪師》より6つのアリア/モーツァルト:ファゴットとチェロのためのソナタ K.292/ピアソラ(F.ジャクソン編):タンゴ組曲 他

ファゴット・トリオ・ザルツブルク
【フィリップ・トゥッツァー、リッカルド・テルツォ、黒木綾子(以上ファゴット)】 他

コジマ録音
ALCD-9199 ¥2800+税