リオネル・ブランギエ(指揮) 東京交響楽団

フランス発、世界が期待する新世代指揮者が東響に初登場


 東京交響楽団の指揮台には音楽監督ジョナサン・ノットのみならず、楽壇の注目を集める才能豊かな指揮者が次々と登場する。9月の定期演奏会に登場するのは、フランス生まれの俊英リオネル・ブランギエ。ブランギエはかつてドゥダメルのもと、ロサンゼルス・フィルでアシスタント・コンダクターを務めて、その後同楽団のレジデント・コンダクターに就任。2014年にはわずか28歳で、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の音楽監督に任命された。シカゴ交響楽団やクリーヴランド管弦楽団といった名門オーケストラと共演するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。

 そのブランギエが東響と共演するにあたって選んだのが、プロコフィエフの交響曲第4番。この曲には2つのバージョンがあり、最初に書かれた初版に作品47、その後大幅に改定された版に作品112の作品番号が添えられている。今回演奏されるのは後者。番号は第4番となっているものの、第5番と第6番を書いた後に改訂されている点では“第6.5番”とも呼べる性質を持っている。プロコフィエフならではの、荒々しくもリリカルな楽想を堪能できる。

 ブラームスのヴァイオリン協奏曲では、シベリウス国際ヴァイオリンコンクールの覇者、アリーナ・ポゴストキーナが独奏を務める。ポゴストキーナはロシア生まれのドイツ育ち。ロマン派のレパートリーはもちろんのこと、バロックや現代作品も弾く音楽的な視野の広さを持つ。フレッシュなブラームスを期待したい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2019年8月号より)

第673回 定期演奏会 
2019.9/21(土)18:00 サントリーホール

川崎定期演奏会 第71回 
2019.9/22(日)14:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 
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