日欧2大巨匠の豪華共演
東京文化会館の注目の新シリーズ《プラチナ・シリーズ》は、音響の素晴らしさで知られる649席の小ホールで、現代最高の名手たちが極上の音楽を奏でる魅力的なシリーズだ。
その第3回と第4回に登場するのが、チェリストの堤剛&ピアニストのルドルフ・ブッフビンダーという、日本とオーストリアを代表する2人の巨匠。プログラムも豪華で、「チェロの新約聖書」とも言われたベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲を2夜にわたって披露する。堤の格調高く澄み切ったチェロと、ブッフビンダーの渋み溢れる燻し銀のようなピアノ。それぞれが生彩を帯び、デュオとしても緊迫した密度の高い音世界を形作るにちがいない。中でも注目なのが、古今のチェロ・ソナタの中でも最高傑作の一つに数えられる第3番(11/7)。大胆かつ洗練されたチェロの歌に、ピアノが巧みに拮抗しながら融合していく名作で、まさにこの2人にこそふさわしい。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ2013年10月号から)
Music Weeks in TOKYO 2013 プラチナ・シリーズ 3&4
★11月7日(木)、10日(日)・東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp
ローチケLコード31597