ベヒシュタインで聴く若い才能
全80席の贅沢な空間、汐留のベヒシュタイン・サロンで、興味深いデュオ・リサイタルが行われる。
東京芸大在学中、先のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール最年少ファイナリストとなったことも話題となり、ピアノ界のホープと目されている阪田知樹。一方、ピアニストとして活動しながら東京外国語大学を卒業、その後指揮も学び、多方面で活躍する内藤晃。今注目の二人が、リストやドビュッシーが賞賛したことで知られる老舗メーカー、ベヒシュタインのピアノで共演する。
各人のソロによる小品も織り交ぜつつ、モーツァルトの2台ピアノのためのソナタやチャイコフスキーの「くるみ割り人形」、ラフマニノフの2台ピアノのための組曲と、詩的な旋律から力強い音楽までを披露。知的で華やかな2人のピア二ズムは、それぞれの個性を際立たせながら、絶妙に絡み合うことだろう。
サロン風のスペースで格別な輝きを放つベヒシュタインの音、旬のピアニストの音楽を、存分に味わう一夜となりそう。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2013年10月号から)
★11月3日(日・祝)・汐留ベヒシュタイン・サロン
問:汐留ベヒシュタイン・サロン03-6432-4080
http://www.bechstein-salon.com