バルバラ・ストロッツィ生誕400年記念コンサート&プレ講演会

初期バロックを生きた女性作曲家の情熱が心をゆさぶる

バルバラ・ストロッツィの肖像画(部分)
©bpk ¦ Staatliche Kunstsammlungen Dresden ¦ Elke Estel ¦ Hans-Peter Klut / distributed by AMF
 17世紀ヴェネツィアを情熱的に、したたかに生き抜いた女性作曲家、バルバラ・ストロッツィ(1619-77)。今年で生誕400年となるのを記念し、彼女が遺した作品や、生きざまを俯瞰するコンサート&プレ講演会が開かれる。

 イタリア在住で音楽学の佐々木なおみが主宰、伊バロック音楽の研究と演奏を実践するグループ「ディスコルシ・ムジカーリ」の第1回公演。ストロッツィは、4人の子を抱えたシングルマザーながら、モンテヴェルディ以降のマドリガーレの系譜を受け継ぐ一方、特にカンタータで独自の表現法を確立、出版活動にも取り組んだ。

 ステージには、阿部早希子(ソプラノ)、福島康晴(テノール)、懸田貴嗣(チェロ)ら名手が集い、彼女の声楽作品の耽美的な調べを、同時代の器楽作品を交えつつ披露。また、プレ講演会は、女性作曲家研究で知られる小林緑・国立音大名誉教授を迎えて。異色の存在であったストロッツィの波乱の生涯と作曲家像を近年の研究成果を交えて紹介する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年8月号より)

プレ講演会
2019.8/29(木)18:30 東京ウィメンズプラザ第1会議室

コンサート
2019.9/2(月)19:00 豊洲シビックセンターホール

問:ムジカキアラ03-6431-8186 
https://www.discorsimusicali.com/