【CD】ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番&第9番/ウェールズ弦楽四重奏団

 第3番冒頭の2音だけで独特の空気を作り上げてしまう。ウェールズ弦楽四重奏団のベートーヴェン・シリーズ第3弾は、最初に書かれた名品第3番と、中期の傑作第9番の組み合わせ。開放弦やフラジオレットを多用する澄み切ったトーン。1拍ごと、1音ごとに自在に伸縮するテンポ。4人の図抜けた和声感と技術、ストイックな鍛錬と研究なしには実現し得ない、精密極まりない演奏で、とにかく発見の連続。無二の方法論による彫琢を経て浮かび上がるのはやはり、ベートーヴェンの革新性と美しさそのもの。これを聴かずにベートーヴェンは語れない、という全集になりそうだ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年7月号より)

【Information】
CD『ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番&第9番/ウェールズ弦楽四重奏団』

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第3番、同第9番「ラズモフスキー第3番」

ウェールズ弦楽四重奏団
【﨑谷直人 三原久遠(以上ヴァイオリン) 横溝耕一(ヴィオラ) 富岡廉太郎(チェロ)】

フォンテック
FOCD9812 ¥2800+税

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