佐藤采香 ユーフォニアム・リサイタル

吹奏楽界に麗しき新星登場!

 吹奏楽の経験者以外には、あまり知名度のなかった金管楽器「ユーフォニアム」だが、今や、コミックやアニメ化もされた大ヒット小説『響け! ユーフォニアム』効果で、この楽器への関心が高まっている。しかし、温かで柔らかな、魅力的な音色を実際に聴いた経験のない人は、まだまだ多いのではないか。

 佐藤采香は、吹奏楽奏者にとっての世界最高峰とされる登竜門、フィンランド・リエクサ国際コンクールのユーフォニアム部門で、日本人として、そして女性としても初の優勝を遂げた若き名手。香川県高松市出身で、8歳から楽器を手にした彼女は、それまでにも国内外の登竜門で実績を重ねて、国際的にも注目されていた。

 昨年末に発表したデビュー・アルバムで、タイトルに冠した久保哲朗「Beans」をはじめ、イギリスのヨーゼフ・ホロヴィッツ(1926〜)の協奏曲など、ユーフォニアムのためのオリジナル作品から、ラヴェル「ハバネラ形式の小品」など編曲まで。美しい音色だけでなく、豊かな表現力など、ユーフォニアムの多層的な魅力を、ぜひ体感してほしい。ピアノは清水初海。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年2月号より)

2019.2/15(金)19:00 Hakuju Hall
問:コンサートイマジン03-3235-3777
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