『もう一度初心に戻って、がむらしゃらにタップを踏みたい』から1年。
熊谷和徳がニューヨークから帰ってくる!
熊谷和徳といえば、タップダンサーとしてはじめて国費留学が認められたダンサー。米国のダンスマガジンで「見るべきダンサー25人」のひとりに選ばれた実績を持つ。その熊谷が来年1月、凱旋公演「DANCE TO THE ONE 〜A Tap Dancer’s Journey〜」を立ち上げる。
一時帰国した熊谷に、ニューヨークでの一年を聞いた。
「タップダンスという自分の信じている形、タップの本質的な部分に最も近い環境に一年滞在したことで、迷いがなくなりました。これが自分の表現というものをこの1年間で創ってきました」
タイトルの「A Tap Dancer’s Journey」は、熊谷がニューヨークで過ごした1年を、観客と一緒に心の旅をしたいという思いが込められている。
表面的な美しさだけでなく、善悪も含めた人間の内面を出したいと語る熊谷。
「心の中にあるものを『音』として表現したい。どういう生き方をしてきたか。それをどう見せられるのか」を追求してきた。
「80歳、90歳のタップマスターを見ていると、彼らの人生の経験のバックグラウンドがダンスとなって涙が出てくることがあります。派手な装飾や演出ではなく、自分がこの一年感じてきた経験そのものを踊りを通して表現したい」
その熊谷の熱意に集結した来日メンバーがすごい。
雑誌『ザ・ニューヨーカー』で「注目すべき振付家」に選ばれた兼タップダンサーのミシェル・ドーランス。楽器ビブラフォンのパイオニアとして名高いビル・ウェア。「ベーシストの中のベーシスト」と評される著名なアレックス・ブレイク。ノラ・ジョーンズなど一流アーティストたちとの共演を重ねるドラマー、ケニー・ウォルセン。グラミー賞にノミネートされたギタリスト、マサ・シミズなど、ニューヨークで活躍中のアーティストたちが結集する。
そんな一流アーティストとの舞台のハイライトは?
「今回は、自分が創作したオリジナル音楽作品を発表します。海外からのタップダンサーが加わるのも初の試みなのですが、自分が尊敬する世界的タップダンサーとのせめぎ合いは見どころになると思います」
音楽はどのようなものになるのだろうか?
「まず僕がリズムを創って、音楽家のフィルターを通してメロディーを譜面に落としていきました。ジャズをベースとしていますが、かなりロックに近いものなどもあります」
タップから発する熊谷の音楽と、この5人のアーティストたちのコラボはきっと刺激的な興奮をもたらしてくれるだろう。
最後に舞台のアピールポイントを聞くと、意外な答えが返ってきた。
「たまに目をつぶってもいいんじゃないかな。耳を澄まして音に集中することもありです」
ニューヨークの一年でかなりタフになったという熊谷は、日本でやりたいこともまだまだたくさんある。「DANCE TO THE ONE」はその第一歩。
『音』に魂を注ぎ込む熊谷の『リズム』をぜひ生で体感したい。
★熊谷和徳 凱旋公演 2014
DANCE TO THE ONE 〜A Tap Dancer’s Journey〜
2014年1/17(金)〜19(日)・Bunkamuraオーチャードホール
出演/熊谷和徳 ミシェル・ドーランス(タップ)ビル・ウェア(ビブラフォン)アレックス・ブレイク(ベース)ケニー・ウォルセン(ドラム)マサ・シミズ(ギター)
¥8500〜¥3000
チケットスペース03-3234-9999
http://www.tbs.co.jp/event/dance_to_the_one/