クシシュトフ・ヤブウォンスキ ピアノ・リサイタル

ポーランドとショパンの魂を奏でる

C)Claire Chen

 クシシュトフ・ヤブウォンスキは、いまショパン作品解釈の正統的な継承者として、真っ先に名が挙がるピアニストだ。1965年生まれの彼は、85年のショパン・コンクールで第3位を受賞後、長きに亘って活発な活動を展開。最近は、ポーランド国立ショパン研究所から、モダンとピリオド両ピアノによるショパン作品全曲の録音を委任されるなど、信頼も厚い。そして1月、彼は日本で特別なリサイタルを行う。それはポーランドとの国交樹立100周年を記念した「ポーランド芸術祭2019 in Japan」のオープニングコンサート。この栄誉も国が認めた正統派たる証しであろう。
 プログラムはショパンの小品集だが、内容は示唆に富んでいる。最初は晩年の傑作「幻想ポロネーズ」。これは儚い生涯の象徴か。その後、ハ短調のノクターンとエチュード「革命」、ヘ短調の幻想曲とバラードが続き、祖国への想いや苦悩が示される。後半最初は、嬰ハ短調のノクターンとワルツ。共におなじみの旋律が流れ、哀嘆にくれる。しかしここから長調に転じ、ロ長調とホ長調のノクターン、変イ長調のバラードを経て、輝かしい「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」に至る。“苦悩から歓喜へ”を示すこの構成は、まさに「祖国振興の光に向かうポーランドの姿のよう」(下田幸二氏/公演チラシより)だ。
 師アンジェイ・ヤシンスキが「彼の感性と魂が紡ぎだす音楽は、すべてが自然で、しなやかで、深い喜びとともに聴衆の耳と心に届くだろう」と賞賛するヤブウォンスキの、オーセンティックかつ味わい深いピアノに、じっくりと耳を傾けたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2019年1月号より)

2019.1/21(月)19:00
東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
https://www.japanarts.co.jp/