【CD】南天の花 金子美香が歌う日本の歌

 2018年夏、バイロイト音楽祭にドミンゴ指揮《ワルキューレ》のグリムゲルデ役でデビュー。デビュー・アルバムが世界に羽ばたくメゾソプラノにこそ相応しい日本歌曲集なのも嬉しい。しかも表題曲である山田耕筰を筆頭に、中田喜直から武満徹までメインストリームに加えて畑中良輔や平井康三郎、猪本隆など声楽人には必須の佳曲まで幅広く網羅。限られた録音枠の中に、岸田衿子、金子みすゞ、やなせたかしの名詩にそれぞれしっかりと寄り添うしみじみとした味わいを持った、いま最も人気のある現代作曲家の一人、木下牧子の作品を4編も収録するそのセンスもかなり素敵だ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2019年1月号より)

【information】
CD『南天の花 金子美香が歌う日本の歌』

團伊玖磨:花の街/橋本國彦:お菓子と娘/山田耕筰:中国地方の子守唄、南天の花/中田喜直:桐の花/別宮貞雄:さくら横ちょう/畑中良輔:花林/平井康三郎:秘唱/猪本隆:悲歌/武満徹:小さな空/三善晃:ほおずき/木下牧子:竹とんぼに、夕顔/石桁眞禮生:ふるさとの/川口耕平:よかった 他

金子美香(メゾソプラノ)
朴令鈴(ピアノ)

OMF
KCD-2064 ¥2500+税

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