作曲家と作品に込められた真実に迫る
ジュネーヴ国際コンクール最高位、シューベルト国際ピアノコンクール優勝など、輝かしい受賞歴を誇り、ドイツを拠点に欧州で活躍を続けるピアニストの原田英代。“本物”のロシア・ピアニズムを伝える伝説的指導者、ヴィクトール・メルジャーノフの薫陶を受けた彼女はロシア音楽の正当な継承者であると同時に、ドイツ音楽にも造詣が深く、国際的な演奏活動とともに、幅広い見識を活かしたレクチャーコンサートやマスタークラスを開催している。
そんな彼女が作曲家の人間像に迫りながら作品の本質を伝えるリサイタルシリーズが第3回を迎える。〈変容〉をテーマとした今回はシューベルト、シューマンにラフマニノフ、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチの作品を並べ、作品の中に込められた彼らの心の葛藤や愛、死生観といったものまで浮き彫りにしていく。いままで気がつかなかった作品や作曲家との新しい出会いを体験できる貴重なリサイタルとなるはずだ。また、リサイタル数日後にはロシア文学者の亀山郁夫をゲストに迎えたレクチャー「不滅のロシア、その音楽と文学の風景」も行われるので併せて楽しみたい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年1月号より)
リサイタル 2019.3/8(金)
レクチャー 2019.3/12(火)
各日19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp/