【CD】ヤナーチェク:シンフォニエッタ/秋山和慶&オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ

 大阪の吹奏楽団の雄、オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラに芸術顧問の秋山和慶が登壇した2月定期のライヴCDは、前半アメリカ、後半チェコの20世紀オーケストラ作品の編曲集という好プログラム。秋山の構築するサウンドには互いの信頼感と余裕が感じられ、バランスと品格を損なわずに、各楽器を活かしながら一体感も生んでいく手腕はさすが。作曲者自身が編曲したW.H.シューマン作品の宗教的な感銘や、吹奏楽の定番曲であるフチーク作品の楽しさは印象的。また、楽団長によるブックレット解説は丁寧かつ詳細で、細部を疎かにしない楽団の姿勢まで伝えてくれる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年12月号より)

【information】
CD『ヤナーチェク:シンフォニエッタ/秋山和慶&オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ』

M.グールド(P.J.ラング編):アメリカン・サリュート/バーバー(J.レヴィ編):ファースト・エッセイ/W.H.シューマン:ニュー・イングランド3部作/ヤナーチェク(上埜孝編):シンフォニエッタ/J.フチーク(M.L.レイク編):フローレンティナー行進曲

秋山和慶(指揮)
オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ

収録:2018年2月、ザ・シンフォニーホール(ライヴ)
フォンテック
FOCD-9792 ¥2600+税