葵トリオ(ピアノ三重奏) ミュンヘン国際音楽コンクールピアノ三重奏部門第1位記念 凱旋リサイタル

世界に羽ばたく3人組が早くもサントリーホールに登場


 今年の9月に開催されたミュンヘン国際音楽コンクールで第1位を獲得した葵トリオが12月14日にサントリーホールのブルーローズ(小ホール)で「凱旋リサイタル」を開く。世界的に最難関のコンクールの一つとして知られる同コンクールのピアノ三重奏部門で日本人団体が第1位となったのは史上初。室内楽の分野では、東京クヮルテット以来、48年ぶりの優勝であった。
 葵トリオは、ヴァイオリンの小川響子、チェロの伊東裕、ピアノの秋元孝介の3人によって、2016年に結成された(『葵』の名称は3人の名字の頭文字“aoi”から取られている)。3人は全員、東京藝術大学出身であり、2014年から16年にかけてサントリーホール室内楽アカデミーの3期生としてともに研鑽を積んでいた。小川は12年の東京音楽コンクールで第1位を獲得し、現在、ベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーに在籍。伊東は08年の日本音楽コンクールで第1位。秋元はロザリオ・マルシアーノ国際ピアノコンクールで第2位に入賞している。ソリストとしても活躍する3人だが、コンクールではその室内楽的なアンサンブルが高く評価された。
 今回のリサイタルでは、ミュンヘン国際音楽コンクールのファイナルで演奏したシューベルトのピアノ三重奏曲第2番をメインに、ハイドンの第27番ハ長調、ブラームスの第1番が披露される。サントリーホール室内楽アカデミーでともに学んだ3人がサントリーホールに帰ってくるこのリサイタルが待ち遠しい。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年12月号より)

2018.12/14(金)19:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:サントリーホールチケットセンター0570-55-0017 
http://suntory.jp/HALL/