テッセラの秋・第23回音楽祭「新しい耳」

小空間で体験する先鋭的なパフォーマンス

 「新しい耳」はピアニストの廻由美子が主宰、春・秋の年2回開催されている小さな、しかし先鋭的な音楽祭。23回目となる「秋」の第1夜では、マルモ・ササキ(チェロ)と髙杉健人(コントラバス)、2人の遣い手が、圧倒的なスケールで“疾走”する低音楽器デュオを聴かせる。
 イタリア、スイス、ドイツに学び、ジェノヴァ国際コンクールで優勝、国内外で活躍するササキ。かたや、東京藝大を卒業後、東京室内管弦楽団で首席奏者を務める一方、タンゴの世界でも活躍する髙杉。今回は、シュニトケや杉山洋一からピアソラに至るまで、多彩な作品を様々な技巧やサウンドで披露。奥の深い低音の世界を掘り下げる。
 そして、第2夜では、廻とシュテファン・フッソング(アコーディオン)が、時空やジャンルの壁を軽々と超越。また、第3夜では高橋悠治とジュリア・スー(以上ピアノ)がソロや連弾で、同時代作品の多層的な響きの世界を創出。70席の小空間で繰り広げられる先鋭的なパフォーマンスは、聴く者の感性へ直接、訴えかける。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年10月号より)

第1夜 2018.11/2(金)19:00
第2夜 2018.11/3(土・祝)16:00
第3夜 2018.11/4(日)16:00
サロン・テッセラ
問:オーパス・ワン042-313-3213
http://www.atarashii-mimi.com/