CD『パッサカリア/三上亮&金子鈴太郎』

 国内オーケストラのコンサートマスターや首席奏者を歴任し、現在はソロに室内楽にと柔軟な活動を展開する三上亮と金子鈴太郎が、意欲的なデュオアルバムを作った。CD冒頭、しなやかにして雄渾なパッサカリアから惹きこまれる。彼らのセンスとテクニックは相当なもので、ロッシーニとモーツァルトのユニークな編曲作等における“冷静な超絶技巧”の痛快さには、思わず笑みが浮かぶ。しかしどんな場面でも彼らの音色は下品にはならず余裕があり、歌い回しにノーブルな気品が漂うのもすばらしい。バッハの編曲群は品格さえ感じさせる真摯な表現で懐が深い。注目のデュオだ。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年10月号より)

【information】
CD『パッサカリア/三上亮&金子鈴太郎』

ヘンデル(ハルヴォルセン編):パッサカリア/J.S.バッハ:2声のインヴェンション/ロッシーニ:《セヴィリアの理髪師》より序曲/モーツァルト:トルコ行進曲/セルヴェ(ギス編):「神よ、王を守りたまえ」による華麗なる変奏曲 他

三上亮(ヴァイオリン)
金子鈴太郎(チェロ)

オクタヴィア・レコード
OVCL-00672 ¥3000+税

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