Interview1 近藤良平(コンドルズ主宰、振付家、ダンサー)

音楽とダンスのコラボレーションは、[サラダ音楽祭]の大きなトピックです。
コンサートやワークショップを通して、一日中大活躍してくれるのが、ダンスカンパニー「コンドルズ」のみなさんです。
学ラン姿でダンスのみならずコントまで披露してしまう、人気グループのコンドルズ。
その中心人物である近藤良平さんに、音楽祭に向けた想いを語っていただきました。

取材・文:飯田有抄(クラシック音楽ファシリテーター)


■オーケストラとダンスは遠くない!

──近藤さんはこれまでにも、クラシック音楽やオーケストラとのコラボレーションをなさっていますか?
近藤:今回のように、ここまでオーケストラとどっぷり、というのは今までなかったですね。でも、考え方としては、オーケストラとダンスとは遠くないと感じています。オーケストラはみんなで音を合わせて音楽を作り上げる、ひとつのコミュニティですよね。団体戦をやっているような感じがとても好きです。集団で踊るダンスにもそういうところがあって、近いです。むしろ、なぜ今までこういうコラボレーションの機会がなかったのかな、と思うくらいです。

──コンドルズは学ラン姿の男たちが集団で踊るという、ユニークなコミュニティですね。
近藤:ダンスカンパニーとして、22年やっています。「コンテンポラリー・ダンス」として括られますが、そこに入るのかどうかもわからない。今を生きる者たちの舞踊として、演奏もするし、映像作品も作るし、時にはテレビに出たりしながら、いろんなことを駆使して公演をつづけてきました。学ランを着ているのは、弟とか、親戚の子とか、身近な男子のように感じてほしいから。あえての標準学生服です(笑)。


■大野和士さんの情熱に応えたい

──近藤さんは、実は指揮者の大野和士さんとは、これまでにも共演なさっているそうですね。
近藤:2009年11月に「子どもたちに贈るスペシャルコンサート」(リヨン歌劇場管弦楽団、オーチャードホール)でご一緒しています。 アウトリーチで小学校にも出向き、体験型ワークショップをやりました。ピアノを使って音楽的なことを伝える大野さんと、それを聴く子供たちとの間に僕が入って、子供たちが恥ずかしがることなく、身体から動きを引き出すお手伝いをしました。

──大野さんとの共演はいかがでしたか?
近藤:大野さんの音楽に対する情熱、表現することの喜び、子供たちに音楽を感じてほしいという思いがすごく伝わって、大野さんの力はすごい!と思いました。超勢いあります(笑)。きっと、お客さんやオーケストラとのコミュニケーションについても、幅広く興味をお持ちなのだと思います。大野さんご自身が、イマジネーションをとても大事にする人ですね。

──では今回も、大野さんとステージを作られるのは楽しみですね。
近藤:すごく嬉しいです。大野さんはスケールのデカい人! 僕は変わり者なので(笑)、形式的に「ここは、こういう風に登場して、こんな形でお願いします」などと言われてしまうのが一番ニガテ……。でも大野さんは、「現代に生きる者としてのダンスをやってくれ」と、大きな視点から言ってくれている気がします。正解/不正解がないから立ち向かいやすく、やりやすいです。

──お互いの芸術性や創造性にたいする信頼に基づき、「あうんの呼吸」で作られていくところはありそうですね。
近藤:大野さんは何も難しいことはおっしゃらない。だからこそ、対話の中でこぼれ出る言葉をヒントに、僕もイマジネーションを膨らませて、思い切り応えていきたいです。大野さんだってかなりのダンサーです! 僕らからすると、指揮者の動きはかなり舞踊的に見えます。

コンドルズ
C)HARU


■メイン・コンサートで踊る「カルミナ・ブラーナ」

──夜のコンサートで踊る「カルミナ・ブラーナ」については、どんな印象をお持ちですか?
近藤:とにかく壮大で荘厳で、音楽が大きい! びっくりしました。攻めてくる感じがありますよね。聞き覚えのある箇所もところどころにあって。もともと世俗的な内容で、踊りのために作られた作品とのこと。個々の曲はどれも短いのに、それがいくつも集まって、60分もの壮大な音楽になるのだから、おもしろいですね。 ひとつひとつの曲のタイトルがまた、いいですよね。合唱の歌う言葉なのでしょうけど、「昼、そしてあらゆるものが」なんて、ちょっと日本語の感覚とは違って、たまらないですねぇ。

──ダンスの構想について、少しだけ教えてもらえますか?
近藤:今回特徴的なのは、ステージ上にはすでに合唱団とオーケストラがいて、そのどこかに、僕らコンドルズが出現する、ということ。通常のダンスのステージなら、ダンサーと、演奏者の空間が分かれているけれど、今回はそうではない。楽器を弾く人、歌う人たちの中に混じって、異分子的な要素としてダンサー=変な人たちが入り込んでいる。ある種の違和感が生まれます。それを楽しんでほしいです。ダンサーたちが妖精のように見えるかもしれませんよ(笑)。
考え方としては全曲に振り付けをしたいのですが、最終的には引き算をしながら調整します。オーケストラ・合唱と空間を共にして、影響されつつ踊りたいですね。

──合唱団が歌う歌詞の内容も、踊りに反映されますか?
近藤:そうですね、物語的な面は拾い上げていきたいです。男女間の恋愛だとか、自然美を讃える気持ちだとか、言葉からは多いにヒントをもらいます。

──衣装は、コンドルズですから、やっぱり学ラン?
近藤:そこは今考え中です。楽しみにしていてください!

■OK!オーケストラ、ワークショップでも大活躍のコンドルズ

──音楽祭では、昼の「OK!オーケストラ」の公演、ワークショップでもコンドルズのみなさんが大活躍ですね。

近藤:「OK!オーケストラ」は、楽しいことをいっぱいやりますよ! 司会の小林顕作は、NHK Eテレ「みいつけた!」のオフロスキー役でおなじみだけれど、実はコンドルズのメンバー。息のあったステージに期待してほしいですね。
ワークショッップでは、コンドルズのメンバーと近い距離で、お子さんからお年寄りまで誰でも楽しんでもらいます。6歳の人でも70歳の人でも、音楽を感じて、身体を動かすというところでは、年齢に関係なくみんな一緒。音と身体との関係の中で、フレキシブルに、何かを一緒に感じて、一緒に見つけ出す体験をしましょう!

──最後に、お客様へのメッセージをお願いします。
近藤:とにかく新しい体験が満載の音楽祭なので、ぜひ多くの方に劇場へ足を運んでいただき、体感していただきたいです。長年の都響ファンの方々にも、新しく趣味を増やすような気持ちで、楽しんでいただければと思います。


【Information】
TOKYO MET Salad MUSIC FESTIVAL 2018
トーキョー・メット・サラダ・ミュージック・フェスティバル 2018[サラダ音楽祭]

2018.9/17(月・祝)東京芸術劇場コンサートホール/池袋エリア(公園・商業施設)
[OK!オーケストラ]
 13:00 東京芸術劇場コンサートホール
[音楽祭メインコンサート〈プルミエ・ガラ〉カルミナ・ブラーナ × Dance!!] 19:00 東京芸術劇場コンサートホール

※無料コンサート、ワークショップなど詳細は下記ウェブサイトをご確認ください。
問:サラダ音楽祭事務局03-5444-2786 
http://salad-music-fes.com/

  • La Valseの最新記事もチェック

    • 春野菜の焼きそばマエストロ風 | マエストロのレシピ Vol.11
      on 2020/04/22 at 01:32

      text & photos:曽我大介 コロナウィルスなどでなかなか外出しづらい日々が続きますね。こんな時こそ普段やらないような料理をしっかり作って見ませんか? 某中華の名店の真似をした、見た目もダイナミックな焼きそばです。 Vol.11 春野菜の焼きそばマエストロ風 材料(4人前) 焼きそばのあんの材料 野菜(これは一例で、取り合わせは自由に。写真を参照してください) 菜の花ひと束、筍の水煮1パッ […]