【CD】大地のにおい/タンブッコ

 彼らにあっては、眼前にある全てのモノが楽器だ。あらゆる素材や日用品が叩き尽くされ、新たな音の世界が切り拓かれてゆく。衝撃的なパフォーマンスで聴く者を圧倒、グラミー賞ノミネートも4度のメキシコの世界的打楽器グループ。「地球が誕生する過程を圧縮した」というタイトル曲から、深遠さを感じさせる邦楽器とのコラボ、情熱と端正さが同居するライヒ…その表情は実に多彩。極めて打楽器的な発想に基づくラヴェルの四重奏曲など、編曲に“必然”すら感じさせる。「自分たちにとっての音楽とは、常に探検」と語る彼ら。そんな旅に同行するようなワクワク感に当盤は満ちている。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年6月号より)

【information】
CD『大地のにおい/タンブッコ』

インファンソン:夜の訪れ/ライヒ:マレット・クァルテット/ラヴェル(R.ガヤルド編):弦楽四重奏曲より第2楽章(マリンバ四重奏版)/松尾祐孝:サウンド サウンドⅣ/コエーリョ:大地のにおい

タンブッコ(パーカッション・アンサンブル)
三橋貴風(尺八)
吉村七重(二十絃箏)

マイスター・ミュージック
MM-4032 ¥3000+税