東京文化会館 Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ 第1回 マリオ・ブルネロ(チェロ)

傑作ソナタとラテン系の名作で聴衆を唸らせる

 その華麗な経歴を改めて説明せずとも、「世界トップクラスのチェリストのひとり」というだけで紹介が済んでしまうようなチェロの名匠、マリオ・ブルネロ。彼自身は巨匠然として安住することなく、ソロ、室内楽、弾き振りから、他の芸術ジャンルとのコラボレーションまで、旺盛な好奇心としなやかな感覚で多彩な活動を展開し続けている。
 そんなブルネロが、6月の東京文化会館「プラチナ・シリーズ」に出演し、「奇跡の音響」とも称えられる小ホールでリサイタルを開く。演目も気の利いたチェロ名作集で、ドビュッシーとフランクの名ソナタで彼の芸術性、音楽性を存分に堪能させた後、カサドの無伴奏組曲で情熱的なラテンの世界に導入し、最後はピアソラの「リベルタンゴ」「グランタンゴ」などで会場を沸かせるのだ。国際的に活躍するピアノの名手で、世界的音楽家からの信頼も厚い江口玲が、万全の伴奏を務めてくれるのも心強い。ブルネロのチェロがつくりあげる、感動と興奮のステージが待ち遠しい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年5月号)

2018.6/15(金)19:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/