“神域”写真と即興音楽が前代未聞のコラボ!
山岸伸といえば写真愛好家なら知らぬ者はないポートレート・フォトの大巨匠。特に現在50代から60代にかけての男性は、若かりし日、少年/青年誌のグラビア・ページにクレジットされた彼の名を目にした人も少なくないはずだ。その山岸が近年取り組んでいるのが、賀茂別雷神社(上賀茂神社)、靖國神社など“神域”の撮影。通常は足を踏み入れることのできない俗世と隔絶された異空間を、唯一無二の感性で写し撮ったその写真は、後世への貴重な記録であると同時に、観る者の心に強い情動をもたらす芸術作品として大きな反響を呼んでいる。
そんな彼の神域写真と音楽がコラボする前代未聞のコンサート「神と音と写」がHakuju Hallで行われる。これは、スクリーンに映し出される山岸の作品を見ながら演奏者が即興演奏を繰り広げるというもので、写真と“共演”するのはサクソフォンの平野公崇とピアノの山田武彦。ご存知のとおり、この2人はクラシックに軸足を置きながら他ジャンルも縦横に行き来する音楽家で、とりわけ即興演奏に関しては名にし負う達人だが、写真という普段の演奏ではあまりインプットされることのない視覚情報から、果たして彼らがどのようなインスピレーションを受け取り、それをどう具現化し、そうして発せられた音は写真とどう共鳴し、観客の心にどのような作用を引き起こすのか…。写真ファン、音楽ファン、そして神社仏閣ファン、必見必聴のコンサートだ。
文:藤本史昭
(ぶらあぼ2018年5月号より)
2018.6/3(日)15:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/