新日本フィルハーモニー交響楽団が都内で会見を行い、2018/19シーズンのラインアップを発表した。墨田区は、すみだトリフォニーホール開館前の1988年から「墨田音楽都市構想」を掲げ、同楽団と連携。両者のフランチャイズ提携は30周年の節目を迎えた。会見では、今秋で就任3シーズン目に入る音楽監督の上岡敏之、ソロ・コンサートマスターで音楽監督補佐の崔文洙らが登壇した。
(2018.3/26 すみだトリフォニーホール Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)
新シーズンのキャッチコピーは、「スプーン一杯の音楽があれば、人は、幸せになれる」。トリフォニー・シリーズ「トパーズ」では、シーズン開幕を飾る上岡のR.シュトラウス交響詩3作(9/14,9/15)、ハンヌ・リントゥによるシベリウス交響曲第7番(10/19,10/20)のほか、フィリップ・ヘレヴェッヘがシューマンの交響曲第2番(2019.5/31,6/1)を披露。サントリーホール・シリーズ「ジェイド」には、ペトル・アルトリヒテルのスメタナ「わが祖国」(18.9/23)のほか、上岡のブルックナー交響曲第9番&「テ・デウム」(10/27)、マーラー「復活」(19.3/30)やベルトラン・ド・ビリーが振るブラームス「ドイツ・レクイエム」(7/4)など声楽・合唱も参加する重厚なプログラムが並ぶ。また、アフタヌーンコンサート・シリーズ「ルビー」に、ハイドンのオラトリオ「四季」(2/15,2/16)を振るソフィ・イェアンニン、そしてファリャ「三角帽子」などを聴かせるアロンドラ・デ・ラ・パーラという二人の女性指揮者が登場するのも注目ポイント。
バランスの取れたプログラムを考えたという上岡は、「トパーズ・シリーズでは、有名な曲だけでなく、ひとつ奥深くに入っていける演目を、ジェイド・シリーズでは、ホールの特性を活かしてスケールの大きい音楽を作っていきたい。ルビー・シリーズは、初心者の方にも上級者にも楽しんでいただけるプログラムです。女性指揮者には新しい風を吹き込んでほしい」と期待を述べた。
崔によれば、上岡就任以降、同楽団では、何度も演奏している曲も改めてスコアを丁寧に読んで綿密な練習を積み、オーケストラの響きは変わってきているという。「楽譜を読むという作業に到達点はない。それをずっと地道にやっていく」と語るマエストロ上岡のもと、今年の秋、新しいシーズンがスタートする。
◆2018/19シーズン定期演奏会プログラム
https://www.njp.or.jp/wp-content/uploads/2018/03/2018-2019seasonprogram.pdf
新日本フィルハーモニー交響楽団
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