マーク・ウィグルスワース(指揮) 東京交響楽団


 マーク・ウィグルスワースが4年ぶりに東京交響楽団の定期演奏会に登場する。コンサートとオペラの両方で活躍する1964年生まれのイギリスの名匠は、今回、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を取り上げる。注目は、第3稿といわれる、1888年稿(2004年コーストヴェット校訂版)の使用。この稿は、オスモ・ヴァンスカ&ミネソタ管のディスクなどで聴くことができるが、まだまだコンサートで取り上げられることは稀であり、通常演奏されている第2稿との構成や管弦楽法の違いを、今回東響の演奏で確かめられるのはとても興味深い。ウィグルスワースは、ディスクではBISでの一連のショスタコーヴィチの交響曲の録音が知られているが、東響とは10年にブラームスの交響曲第2番、14年にフリーハー編曲による《ニーベルングの指環》(管弦楽抜粋版)で好評を博するなど、ドイツ・ロマン派音楽でも定評がある。ジョナサン・ノットとブルックナーの名演を続けている東響だけに、ウィグルスワースとの演奏も期待される。
 演奏会の前半にもイギリスから気鋭のヴァイオリニストが招かれる。ジェニファー・パイクは1989年生まれ。12歳でBBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーの最年少受賞者となり、15歳でBBCプロムスやウィグモア・ホールにデビューした才媛。今回、彼女は、ディスクでもアンドルー・デイヴィス&ベルゲン・フィルとの録音を残すシベリウスのヴァイオリン協奏曲を披露する。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年3月号より)

第658回 定期演奏会 
2018.3/31(土)18:00 サントリーホール
問:TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511 
http://tokyosymphony.jp/

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