望月哲也(テノール) & 青山 貴(バリトン)

モーツァルトの誕生日に贈る“熱き友情”のコンサート

 大人気の重量級男声ユニット「IL DEVU」でも活動をともにする望月哲也と青山貴は、実は同じ高校の出身。都立府中西高校の、望月の2学年下に青山がおり、ともに合唱部で歌っていたという。そんな先輩後輩が二人揃って府中の森芸術劇場に凱旋する。
 1980年代後半から、高校生の合唱コンクール上位の常連だった同校。合唱は個人でやるものではないとはいえ、20数年後に日本オペラ界を牽引するエース・テノールとプリモ・バリトンが一緒にいたのだから、これはもう反則ぎりぎり? 野球でいえばKKコンビのPL学園みたいなもので、並の高校合唱部では太刀打ちできなかったろう。思えば府中の森芸術劇場がオープンした91年は、ちょうど二人がともに高校生だった年だ。もちろんそれ自体は偶然だけれど、そんな天の配剤があってこそ、地域の文化創造が芽生え育つのだろう。
 公演日がちょうどモーツァルトの誕生日であることから、《フィガロの結婚》《ドン・ジョヴァンニ》からのアリア、またヴェルディ《ドン・カルロ》の二重唱なども披露される予定。ピアノは河原忠之が務める。神様が府中に微笑んだ歳月にも思いを馳せながら、二人の超美声を楽しみたい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2018年1月号より)

2018.1/27(土)14:00 府中の森芸術劇場 ウィーンホール
問:チケットふちゅう042-333-9999
http://www.fuchu-cpf.or.jp/