板橋区とボローニャ市をつなぐ、友好都市交流協定締結20周年を記念して
ボローニャといえば北イタリアの古都。コペルニクスやペトラルカ、ダンテも学んだ世界最古の総合大学、ボローニャ大学を中心として発展、レスピーギやパゾリーニを生んだ街でもある。
そのボローニャでは、1964年より「ボローニャ国際児童図書展」が行われている。その児童文学および児童向けマルチメディアの見本市は世界中から注目され、東京の板橋区立美術館でも81年に「ボローニャ国際絵本原画展」を開催。それをきっかけに交流が始まり、2004年には「いたばしボローニャ子ども絵本館」を開館するなど、絵本を通して板橋区とボローニャ市の結びつきが深まった。05年には両都市による友好都市交流協定も結ばれ、交流の幅もより広がりを見せている。
その友好都市交流協定の締結から20周年を記念した演奏会が行われる。「旅する音楽~フルートと弦楽の響きにのせて~」と題されたコンサートでは、イタリアを拠点に国際舞台で活躍する4人の実力派演奏家を迎える。

板橋区在住の画家・梅村誠氏が手掛けたメインビジュアル。
公演タイトル「旅する音楽」にちなみ、ボローニャ市内の歴史ある街並みが、細やかであたたかみのあるタッチで表現されている。
イタリア音楽の真髄を知り尽くしたフルート&弦楽器奏者たち
「ボローニャの生んだフルートの魔術師」との異名をもつジョルジョ・ザニョーニ。18歳でイタリア国営放送(RAI)ミラノ交響楽団の首席フルート奏者に就任、その後もソリストとして活躍しつつ、長年にわたりボローニャ音楽院で指導にあたった。音楽を通じて日伊両国間の友好親善に寄与した功績から、2020年に旭日中綬章を授与している。
フランチェスコ・イオーリオは、モダンもピリオドもこなすヴァイオリン奏者。イタリア・バロック管弦楽団、イタリア国際管弦楽団、モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニーなどでコンサートマスターを務め、ボローニャ・バロックを創設した。
アンドレア・マイーニは、モデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニーの首席ヴィオラ奏者だ。23歳でアルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団に入団、それ以降も多くの演奏会でソリストとして活躍している。パドヴァ・ヴェネト管弦楽団のメンバーとして参加したシャリーノの「ダンテの『天獄篇』のための音楽」など、レコーディングも多数。
アレッサンドロ・クリアーニも、独奏者、室内楽奏者、首席奏者として幅広い活動を行うチェロ奏者。現在、マルケ・フィルハーモニー管弦楽団首席を務める。ポスタッキーニ弦楽四重奏団、ペーザロ三重奏団などのメンバー。

ボローニャで活躍する日本人指揮者が「音楽の旅」をナビゲート!
彼らによる演奏会の前半は、イタリア・オペラの名旋律を室内楽で楽しめるプログラム。19世紀のサロンで演奏された、ヴェルディの《トロヴァトーレ》やロッシーニの《セビリアの理髪師》などのパラフレーズ作品を取り上げる。後半は、イタリアにルーツをもつアルゼンチン・タンゴの巨匠アストル・ピアソラを特集。哀愁と情熱が入り交じる「リベルタンゴ」などが披露される。
コンサートの司会は、ボローニャ在住の指揮者、吉田裕史だ。マントヴァ歌劇場の音楽監督、ボローニャ歌劇場フィルハーモニー芸術監督を歴任、現在はモデナ・パヴァロッティ歌劇場フィルハーモニー音楽監督を務める。イタリア通で出演者との共演も多い指揮者が、演奏会の魅力をより深めてくれるに違いない。

文:鈴木淳史
板橋区×ボローニャ市 友好都市交流協定締結20周年記念コンサート
旅する音楽~フルートと弦楽の響きにのせて~
2026.3/1(日)14:00 板橋区立文化会館
♪出演
ジョルジョ・ザニョーニ(フルート)
フランチェスコ・イオーリオ(ヴァイオリン)
アンドレア・マイーニ(ヴィオラ)
アレッサンドロ・クリアーニ(チェロ)
吉田裕史(ナビゲーター)
♪曲目
弦楽三重奏のためのイタリア オペラ プロムナード
ヴェルディ《トロヴァトーレ》によるディヴェルティメント op.53
ロッシーニ《セビリアの理髪師》による変奏曲 op.198
ピアソラ:「ブレノスアイレスの冬」「リベルタンゴ」
他
問:板橋区文化・国際交流財団03-3579-3130
https://www.itabashi-ci.org/culturehall/

鈴木淳史 Atsufumi Suzuki
雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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